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財産的基礎、金銭的信用とは?

建設業許可の要件の1つで重要なものになります。
経営業務の管理責任者と専任技術者が「人」についての要件であるなら、こちらの財産的基礎は建設業者の「お金」についての要件となります。

この要件は一般許可と特定許可で内容が異なっていて、下請業者に出す金額が大きくなる特定許可は、下請け業者保護の観点から厳しい条件となります。
一般許可と特定許可についての詳細はこちら

目次

  1. 一般建設業許可に必要な財産的要件は?
  2. 特定建設業許可に必要な財産的要件は?
  3. まとめ
  1. 一般建設業許可に必要な財産的要件は?

    次の(1)もしくは(2)に当てはまる必要があります。

    (1)自己資本が500万円以上ある

    直前の決算の自己資本の額が500万円以上であることが必要です。
    自己資本は法人の場合、貸借対照表の資産から負債(他人資本)を引いた部分になります。
    個人事業の場合、期首資本金、事業主借勘定、事業主利益の合計額から事業主貸勘定の額を控除した額に、負債の部に計上されている利益留保性の引当金・準備金の額を足した金額になります。

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    (2)500万円以上の資金調達能力がある

    自己資本が500万円に満たない場合は、下記のどちらかの方法で500万円以上の資金調達能力を証明します。

    【金融機関発行の500万円以上の預金残高証明書】
    ※残高証明書が複数枚になる場合は、基準日が同じでなければなりません。また、基準日が申請直前2週間以内のものである必要があります。金融機関によって残高証明書発行までの日数が違ってくる可能性があるためタイミングにも注意が必要でしょう。

    【金融機関発行の500万円以上の融資証明書】
    ※融資残高ではなく融資可能額の証明でなければなりません。こちらも発行日が申請直前2週間以内のものである必要があります。

    なお一般建設業許可の更新時に、直前5年間許可を受けて営業してきた実績があれば、(1)もしくは(2)を満たしているかどうかは問われません。
    ただし、1回目の更新申請をする前の段階で業種追加をする場合は、500万円以上の自己資本もしくは資金調達能力の証明が必要です。

  2. 特定建設業許可に必要な財産的要件は?

    直前の決算において、次の(1)~(4)を”全て”満たす必要あります。

    (1)欠損の額が資本金の20%を超えていないこと

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    欠損の額とは、法人の場合、繰越利益剰余金(①)がマイナスのときの金額が、資本剰余金(②)と利益剰余金(②)と別途積立金(②)を合計した金額を上回る金額です。
    個人事業の場合、事業主損失が、事業主借勘定から事業主貸勘定の額を控除した額に負債の部に計上されている利益留保性の引当金・準備金を足した額を上回る金額です。

    この欠損の額が、資本金の20%以下である必要があります。

     

    (2)流動比率が75%以上であること

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    ※1年以内に現金化できる資産(流動資産)と1年以内に支払うべき負債(流動負債)を比べることによって短期的な支払い能力がわかります。

    (3)資本金が2,000万円以上あること

     

    (4)自己資本が4,000万円以上あること

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    特定建設業許可は、更新申請時にも上記(1)~(4)の条件を満たしていなければなりません。
    なお、新規、更新、業種追加の申請時に財産条件を満たしている必要はありますが、許可の有効期間中にこれらの財産条件が満たされなくなったということで許可を取り消されることはありません。

  3. まとめ

    • 一般建設業は自己資本が500万円以上もしくは500万円以上の資金調達能力が必要!
    • 特定建設業は専任技術者の要件とともに財産的要件もかなり厳しい!

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