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解体工事業が新設され29業種に

建設業法の一部改正により(平成26年6月4日公布)、昭和46年に制定された業種区分28業種について40年ぶりに見直しが行われ、「とび・土木工事業」から独立するかたちで、新たに「解体工事業」が新設されることになりました。

解体工事業が新設された背景や、現在「とび・土木工事業」許可にて解体工事を営んでいる場合はどうしたらよいか?といった点について解説していきます。

目次

  1. 解体工事業が新設された理由は?
  2. とび・土木工事業許可で解体工事業を営んでいる場合
  3. 解体工事業許可に必要な技術者の資格について
  4. 500万円未満の解体工事について
  5. まとめ
  1. 解体工事業が新設された理由は?

    この背景には、解体工事に必要な技術の専門化や、建物の老朽化による工事量の増加見込み、重大な公衆災害や労働災害の発生、アスベスト対策や騒音・振動対策など環境面に対する問題があります。

  2. とび・土木工事業許可で解体工事業を営んでいる場合

    施行日(平成28年6月1日)以降、500万円以上の解体工事業を営むには解体工事業許可が必要になります。

    なお、経過措置として施行日時点において「とび・土木工事業」の許可をもって解体工事業を行っている建設業者は、施行日から3年は「解体工事業」の許可を取得せずに、「とび・土木工事業」の許可において解体工事業を行うことができます。
    この経過期間中については、技術者の配置についても、「とび・土木工事業」の要件を満たす技術者で良いとされています。

    また、施行日前の「とび・土木工事業」の経営業務の管理責任者としての経験は、解体工事業の許可取得に必要な経営業務の管理責任者としての経験とすることができます。kaitaikouji_1

  3. 解体工事業許可に必要な技術者の資格について

    2016年6月1日から申請受付をする「解体工事業」の専任技術者や主任技術者になることができるのは下記の通りです。

    【一般建設業の専任技術者、主任技術者の場合】

    ※下記の資格保有者

    • 2級土木施工管理技士(種別「土木」)
    • 2級建築施工管理技士(種別「建築」または「躯体」)
    • とび技能士(1級または2級合格後に解体工事で3年以上の実務経験)
    • 登録技術試験(解体工事施工技士)

     

    ※下記の実務経験者

    • 解体工事について10年以上の実務経験者
    • 解体工事について大学の指定学科卒業後3年以上の実務経験
    • 解体工事について高等学校の指定学科卒業後5年以上の実務経験

     

    【特定建設業の専任技術者、監理技術者の場合】

    ※下記の資格保有者

    • 1級土木施工管理技士
    • 1級建築施工管理技士
    • 技術士(「建設部門」、「総合技術監理部門(建設)」)

     

    ※下記の実務経験者

    • 主任技術者としての要件を満たす者のうち、元請として4,500万円以上の工事に関し2年以上の指導監督的な実務経験を有する者

     

    なお、経過措置として既存の「とび・土工工事業」の技術者は、2021年3月まで「解体工事業」の技術者と認められます。

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    ※専任技術者については「専任技術者とは?」
    ※主任技術者や監理技術者については「主任技術者、監理技術者とは?」

     

  4. 500万円未満の解体工事について

    500万円未満の解体工事については建設業許可は必要ありませんが、従来通り、営業区域を管轄する都道府県に登録の必要があると思われます。
    ※土木工事業、建築工事業、とび・土木工事業の許可がある場合は、登録の必要はありません。

  5. まとめ

    • 「とび・土木工事業」から独立して「解体工事業」が新設される。
    • 施行日(2016年6月1日)時点で「とび・土工工事業」の許可で解体工事業を行っている場合、施行日(2016年6月1日)から3年間は「とび・土工工事業」の許可で「解体工事業」を行うことができる。
    • 2021年3月までは「とび・土工工事業」の技術者は、「解体工事業」の技術者として認められる。

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