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実務経験要件の緩和措置とは?
資格や学歴以外の条件で専任技術者になる場合、1業種につき10年の実務経験が必要になります。
しかし、一定の要件を満たせば必要となる実務経験年数が緩和されます。
少し複雑ですが、実務経験要件の緩和措置について詳しく解説していきます。
目次
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技術的な共通性がある他の業種で実務経験がある場合
許可を受けようとする業種と技術的な共通性がある業種での実務経験がある場合、許可を受ける業種に必要な実務経験年数が緩和されます。
どのような場合に緩和されるかというと、申請業種について8年をこえる実務経験と、技術的な共通性がある業種での実務経験が合計して12年以上であれば、申請業種の実務経験は10年に満たなくても専任技術者となれます。ただし、実務経験の緩和が認められる業種と、その業種と技術的な共通性があるとされる業種の組み合わせは決まっています。
(1)申請業種と土木一式工事の組み合わせ
【実務経験緩和パターン①】
とび・土木工事が8年を超える + 土木工事との合計が12年以上 → とび・土木工事の専任技術者になることができる【実務経験緩和パターン②】
しゅんせつ工事が8年を超える + 土木工事との合計が12年以上 → しゅんせつ工事の専任技術者になることができる【実務経験緩和パターン③】
水道施設工事が8年を超える + 土木工事との合計が12年以上 → 水道施設工事の専任技術者になることができる【実務経験緩和パターン④】※平成28年6月1日より
解体工事が8年を超える + 土木工事との合計が12年以上 → 解体工事の専任技術者になることができる(2)申請業種と建築一式工事の組み合わせ
【実務経験緩和パターン⑤】
大工工事が8年を超える + 建築工事との合計が12年以上 → 大工工事の専任技術者になることができる【実務経験緩和パターン⑥】
屋根工事が8年を超える + 建築工事との合計が12年以上 → 屋根工事の専任技術者になることができる【実務経験緩和パターン⑦】
内装仕上工事が8年を超える + 建築工事との合計が12年以上 → 内装仕上工事の専任技術者になることができる【実務経験緩和パターン⑧】
ガラス工事が8年を超える + 建築工事との合計が12年以上 → ガラス工事の専任技術者になることができる【実務経験緩和パターン⑨】
防水工事が8年を超える + 建築工事との合計が12年以上 → 防水工事の専任技術者になることができる【実務経験緩和パターン⑩】
熱絶年工事が8年を超える + 建築工事との合計が12年以上 → 熱絶縁工事の専任技術者になることができる【実務経験緩和パターン⑪】※平成28年6月1日より
解体工事が8年を超える + 建築工事との合計が12年以上 → 解体工事の専任技術者になることができる(3)申請業種と専門工事の組み合わせ
【実務経験緩和パターン⑫】
大工工事が8年以上 + 内装仕上工事との合計が12年以上 → 大工工事の専任技術者になれる【実務経験緩和パターン⑬】
内装仕上工事が8年以上 + 大工工事との合計が12年以上 → 内装仕上工事の専任技術者になれる【実務経験緩和パターン⑭】※平成28年6月1日より
解体工事が8年以上 +とび・土工工事との合計が12年以上 → 解体工事の専任技術者になれる -
実務経験のみで複数業種の専任技術者になる場合
実務経験のみで2業種の専任技術者になるには20年の実務経験が必要です。
しかし、実務経験の要件緩和が認められている業種の組み合わせであれば2業種の専任技術者になるために必要な経験年数は緩和されます。とび・土木orしゅんせつor水道施設工事業と土木工事業の2業種の専任技術者になるのであれば、最短で18年の実務経験が必要です。
大工or屋根or内装仕上orガラスor防水or熱絶縁工事業と建築工事業の2業種の専任技術者になるのであれば、最短で18年の実務経験が必要です。
大工工事業と内装仕上工事業の2業種の専任技術者になるのであれば、最短で16年の実務経験が必要です。
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まとめ
- 一定の専門工事と土木工事の実務経験によって、10年の実務経験要件が緩和される。
- 一定の専門工事と建築工事の実務経験によって、10年の実務経験要件が緩和される。
- 一定の専門工事と専門工事の実務経験によって、10年の実務経験要件が緩和される。
実務経験要件が緩和されるといっても、やはり実務経験のみで専任技術者になろうとすると長い期間が必要となってしまいます。
可能であれば資格取得によって専任技術者になることを検討してみましょう。